トイレトレーニングは、子育ての中で多くのご家庭が向き合う大切なステップです。周りの情報を聞いたり、同じ年頃のお子さんが進んでいる様子を見ると、少し焦ってしまうこともあるかもしれません。でも、いちばん大切なのは【お子さんのペースを尊重すること】です。多くのご家庭では2歳〜2歳半ごろに始めますが、成長のスピードは本当に一人ひとり違います。まわりと時期が違っていても大丈夫。お子さんの心と体が「準備OK」になるタイミングを、あたたかく見守ってあげましょう。

始める目安としては、
①自分でトイレまで歩ける
②便座に座っていられる
③大人の声かけに反応できる
④おしっこの間隔が2時間以上あく
⑤簡単な言葉で気持ちを伝えられる
⑥大人のまねができる
などが挙げられます。

これらはあくまで目安なので、無理に急ぐ必要はありません。また、保護者の方にも心と時間に少し余裕がある時期を選ぶと、よりスムーズに進めやすくなります。トイレトレーニングは、親子で成長を感じ合える貴重な時間でもあります。

進め方の基本は4つのステップです。

  • ①【トイレを知る】
    絵本や動画、保護者の行動を通してトイレに興味を持たせましょう。
  • ②【便座に座ってみる】
    トイレを明るく清潔にし、お子さんが安心できる場所に整えます。おまるを使うのもおすすめです。
  • ③【生活リズムに合わせて声かけ】
    起床時や食事の前後など、生活の節目に「トイレ行ってみようか?」と優しく誘いましょう。成功したときは一緒に喜び、自信につなげます。
  • ④【パンツにチャレンジ】
    慣れてきたら、日中だけでもパンツで過ごし、濡れた感覚を覚えることで自立を促します。

失敗しても叱らず、「大丈夫だよ」と受け止めてあげることが安心感につながります。トイレトレーニングは競争ではなく、成長に寄り添う時間。焦らず、ゆったりした気持ちで取り組みましょう。

夜のおねしょが5歳を過ぎても月1回以上3カ月以上続く場合は「夜尿症」と呼ばれます。珍しいことではなく、7歳ごろでも10人に1人に見られます。生活習慣の見直しや治療で改善することもあるので、小児科や泌尿器科に相談してみましょう。

お子さんのペースを大切に、家族みんなで楽しく進めることが何より大切です。

今回の先生

岩井 和之先生

福井県済生会病院 小児科 主任部長

岩井 和之先生

福井県済生会病院

社会福祉法人 済生会支部
福井県済生会病院

福井市和田中町舟橋7番地1

TEL.0776-23-1111(代)

※診療時間など詳しくはホームページをご覧ください。